三の丸の歴史

新井家の腕木門

幕末、南中小路南側の西端に戸田家家臣新井隆蔵(90石)の屋敷があり入り口に朱塗りの腕木門があった。今も幕末期の姿を伝えている。なぜ朱塗りなのかは理由はわからない。朱雀すざくは方位でいうと南。城の南に当たる門なので朱雀=朱鳥(あかみとり)により朱に塗ったとする説もある。
東京大学構内の赤門は加賀藩前田家の門として有名であるが、文政10年(1827)徳川家斉の娘溶姫が前田家に嫁したときに造られた門である。将軍の娘を迎えるとき朱塗りの門をその表に構える慣習が明暦の江戸大火後生まれたといわれる。(「国史大事典」)朱の色は火の色あるいは防火の力があると信じられていたのかもしれない。

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三の丸で出会う風景の数々、旅を暮らしを彩るひとコマです